<伊東~伊豆高原>周辺 ~観光と自然散策~
<伊東〜伊豆高原>紀行/駅から“徒歩旅&バス旅”体験記
「伊豆高原」と「城ヶ崎海岸」の豊かな自然に出会う
<連載:その(3)>
伊豆高原の代表的な観光スポットともいえる「大室山」と「城ヶ崎海岸」。
前回の山からの絶景「大室山」に続いて今号では、
「城ヶ崎海岸」を訪ね、その雄大な海の絶景を堪能してみよう。
■駅から徒歩で、「城ヶ崎海岸」の絶景へ…。灯台へ、吊り橋へ…。
〜海に流れ出た溶岩流によって形成された荒々しい断崖の景勝地
今回の旅の宿泊には、海に向かって開かれた癒しのくつろぎ空間が満喫できる「赤沢温泉ホテル」(=https://www.izuakazawa.jp/hotel/)を利用した。ホテル〜伊豆高原駅のあいだを1日約20便もの無料送迎バスが用意されている。広大な海を望むリゾートステイを体験したあとは、ホテルから伊豆高原駅まで無料バスで送ってもらった。
伊豆高原駅から普通電車でひと駅隣りの「城ヶ崎海岸駅」までは4〜5分で到着する。本格的なカナディアン・ログハウスの雰囲気ある城ヶ崎海岸の駅舎を背にしながら海方向に向かうと、途中、別荘地を抜ける道路の両側には桜並木が海岸近くまで続いている。満開になると、きっと見応えがあるに違いない、桜の季節にまた来てみたい、などと考えながら歩いていると、海に向かって緩やかに下っているせいか、思いのほか早めに目的地の城ヶ崎海岸に到着した。徒歩で20分ほどの距離である。
■門脇埼灯台の展望台からは広大な海景色や伊豆七島の眺め
展望台のある門脇埼灯台
城ヶ崎海岸は、約4000年前の大室山やその周辺の山々の噴火によって流れ出た溶岩流が海岸線を埋め立てることによって形成された溶岩岩石とその浸食作用によるリアス式海岸だ。海岸線が深く削られ入り組んだ荒々しい断崖の景色は、長年かけて自然が作り出した景勝地として観光客に人気のスポットとなっている。
まずは駐車場のある入口を入って歩を進めると、まもなく目の前にそびえる地上約25mの門脇埼灯台が見えてくる。螺旋状の階段をのぼった展望台からは眼下に雄大な海景色が望める。
あいにく少し霞んでいたが、それでもなだらかな稜線を見せる伊豆大島やはるかに浮かぶ利島などの島々が確認できた。冬に向かうこれからの季節には遠く水平線に浮かぶ他の島々や天城連山の峰々など、もっと広大な眺望がくっきりと楽しめるに違いない。
■海の吊り橋から眼下に眺める景色はスリル満点!
地上に戻って、いよいよ断崖にかかるお目当ての吊り橋「門脇吊橋」へ。
海の吊り橋は長さ48m、高さ23mでスリル満点。人が渡るたびにかすかに揺れを感じる吊り橋から覗き込む眼下には鋭く切り込んだ入江の眺め…。荒々しい岩場に繰り返し押し寄せる大きな波が白く激しく砕けている。吊り橋の途中では想定外のスリル感に思わず声をあげる人や手すりをつかむ人もいる。渡りきった橋のたもとには、昭和歌謡の作詞家として知られる星野哲郎・作詞、地元伊東市出身の関野幾生・作曲による「城ヶ崎ブルース」の歌碑が据えられていた。
海岸線には絶壁が連なり、幾重にもふところ深く入り組んだ岩礁、岬から岬へと続く眺めはまさに壮観。この門脇吊橋を中心に海岸線に沿ってピクニカルコースと呼ばれる3kmほどのハイキングコースが整備されており、海の絶景を望みながらハイキングも楽しめる。その延長には城ヶ崎自然研究路6kmもある。
■知る人ぞ知る、駅にもあった広大な景色を眺める “展望台”
海の絶景を思う存分堪能したあとは、城ヶ崎海岸駅に戻る。
高台にある駅の階段をのぼると改札前の一角には椅子・テーブルが据えられたテラス風の休憩スペースが設けられている。電車を待つまでのあいだ、かすかに望む海の気配などを感じながら休憩していると、地元の人だろうか、さらに駅のすぐ上にもっと眺めのいい場所があると教えてくれた。駅の上には線路をまたぎ反対側の道路へ出るために設けられた陸橋がある。そこからの眺めがいいという。
駅横の螺旋状の鉄の階段をのぼると、なるほどさっきより一段高いところから広々とした景色が眺められた。先ほど歩いてきた海まで続く桜並木の道やその両側にたたずむ別荘地の家々、はるかに望む広大な相模灘や島々などの海景色…。
地元の人が教えてくれたその “展望台” は、知る人ぞ知る、目の前に横たわる伊豆大島越しに海からのぼる荘厳な「初日の出」を眺める絶好のスポットでもあるという。
(特集内・写真協力:伊東市観光課、伊東観光協会)
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