海景色を楽しみながら、のんびり伊豆高原への電車旅

《伊豆リゾート通信》


<伊東~伊豆高原>周辺 ~観光と自然散策~

<伊東〜伊豆高原>紀行/駅から“徒歩旅&バス旅”体験記
「伊豆高原」と「城ヶ崎海岸」の豊かな自然に出会う

<連載:その(1)>

伊豆半島の東側に位置する伊東温泉から伊豆高原エリアは、穏やかな気候と美しい自然に恵まれ、内外の観光客はもとより数多くの文化人にも愛されてきた。
とくにリゾートとして早くに開けた伊豆高原周辺には、自然散策にうってつけのスポットが目白押しだ。
今回はその伊豆高原にあって、2大観光スポットともいえる「大室山」と「城ヶ崎海岸」の豊かな自然を訪ねてみた。


■旅の楽しみは「車内」からも、「駅」からも始まっている

目的地が近づくにつれ、心なしか日差しが増してくるような気がする。風景は、町並みからいつしか海景色に変わっていた。伊豆高原への電車旅である。
旅の身を委ねたのはJR線から伊豆急線へ乗り入れている特急「スーパービュー踊り子号」。車両の大部分が「窓」に思える構造で、名前にふさわしい眺望を堪能しながらゆったりした気分で旅を楽しむことができる。東京方面からだと2時間強、乗り換えのわずらわしさもなく列車は「伊豆高原駅」に滑り込んだ。
車で来ていたら目にすることはなかったであろうモダンな駅舎は、改札を抜けると高い天井窓から明るい光が差し込む広々とした吹き抜け構造になっている。リゾートの旅にふさわしく開放感いっぱいだ。

広大な海景色をバックに、森の中を走り抜ける伊豆急行線

伊豆高原駅・改札前の開放的な吹き抜け空間


■伊豆半島ジオパーク。地球の息吹きに触れる

その一角には2015年にオープンした伊東ビジターセンター<ジオテラス伊東>が設けられていた。以前、伊豆高原を訪れたときにはなかった施設である。
ここには2018年4月にユネスコから世界ジオパークに認定された「伊豆半島ジオパーク」が紹介されている。「ジオパーク」とは「ジオ=地球・大地」と「パーク=公園」を組み合わせた言葉で、地質学や地球規模の見地から地層・岩石・地形などを貴重な地球遺産と考え、その保護と活用をはかる「大地の公園」を意味するそうだ。
急ぐ旅ではないので、まずは伊豆高原めぐりの旅の手始めにこの施設を訪ね、アカデミックな見聞をすることにした...。館内には大自然に恵まれた伊豆半島の歴史的な成り立ちや半島全域の主な見どころ(=ジオスポット)などが写真や展示物などで紹介されている。スタッフの人が要所要所の解説を加えながら親切に案内してくれている。
それによると、現在の伊豆半島は、約2000万年前に数百キロ離れた南の火山島や海底火山群が長い年月をかけてフィリピン海プレートとともに北に移動して本州に衝突し、火山活動や隆起を繰り返して約60万年前に現在のような半島の形になったということだ。
...さて地球規模の見聞を広げたところで、時刻はそろそろお昼どき。駅舎には、伊豆地方の「やまもも」という樹木が名称の由来になっている「やまもプラザ」というショッピングモールが一体になっている。干物やわさび、銘菓などの名産品やお土産が買えるほか、複数のレストランやカフェなどを併設している。レストランのなかでも美味しいと評判の食事処で昼食をとった。

(次号へつづく)

伊豆半島ジオパークが紹介された「ジオテラス伊東」と同館内(右)

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